研究活動 過去の研究会の記録 刊行物 その他の活動 受賞

これまでの研究会活動について

研究センター内において開かれた研究会を紹介します.研究会は2015年10月を初回として2か月ごとに開かれています.
  1. 2017年3月15日(水)16時30分~びわこ・くさつキャンパス(BKC)エポック立命K306.
    Hiroshi Ono(York大学) 特別セミナー「Revising cyclops and his eye」
    両眼視空間のサイクロピアン・アイに関する研究を紹介した.サイクロピアン・アイとは,両眼(2つの光学的原点)を使って物を見ているにもかかわらず,その物の視方向が特定の方向に見える(視覚的原点は1つ)現象である.
    セミナーでは,認知科学のさまざまな研究者から積極的な意見が出され.日本語と英語が混在したセミナーになった.
  2. 2017年1月30日(月)16時30分~びわこ・くさつキャンパス(BKC)エポック立命21 K306
    島川博光 「生活行動の丁寧さからの高齢者の生活意欲の推定」
    近年,独居高齢者が要介護状態に陥らないように,彼らに生活意欲を高く維持してもらう必要がある.日常生活の乱れは,独居高齢者の身体的かつ精神的な衰えをあらわすと考えられるため,生活意欲が低下する前兆と捉えることができる.
    本発表では,日常の生活行動を識別し,識別された各生活行動の丁寧さを判定する手法を提案する. 本手法では,高齢者のプライバシーを考慮して輝度分布センサを用いる.輝度分布センサから得られる輝度を用いて機械学習することで生活行動を識別する.識別された各生活行動について,人の体幹の動かし方の違いから生活行動の丁寧さを判定するモデルを作成する.
    手法の評価実験として,掃除,調理,食器洗いといった三つの生活行動における識別率と,掃除を実施する丁寧さを判定するモデルの当てはまり度合いを検証した.識別結果のF値は それぞれ0.975,0.912,0.927となり,すべての生活行動で9割を越える精度で識別した.丁寧さを判定するモデルの当てはまり度合いをあらわすNagelkerke R2 は0.599となった.本手法を用いて作成したモデルは,日常生活から長期的に輝度データを取得し,生活意欲の低下を認知するために問題ない精度であると考えられる.

    林 勇吾 「異なる視点に基づく人間/人間の協同問題解決:エージェントを用いた実験的検討」
    本発表では,協同問題解決研究で検討されている諸問題を取り上げ,異なる視点に基づくインタラクション方略の有効性や妥当性基準の違いによって発生する葛藤状態について紹介した.そしてその知見をベースに,図地反転の原理を応用して作成した異なる視点に基づく協同問題解決のための実験課題を紹介した(林・三輪・森田,2007).本課題を用いた問題解決者ペアの発話プロトコル分析により,自身の視点への固着(バイアス)が他者視点の誤解やコミュニケーションの齟齬を引き起こしていることが確認された.また本発表では,複数人で行う協同問題解決において,どのような要因が視点取得やコミュニケーションの齟齬に影響を及ぼすのかについての紹介も行った.この検討に際しては,ネットワーク上で動作する複数の自律型の対話エージェントを人間のサクラとして開発し,メンバーの視点の多様性や葛藤の度合いを操作した(林・小川,2012).本実験システムを用いて得られた成果として,グループ内に異なる視点を有する少数派が存在した場合において,グループ内に同数の異なる視点を有する場合よりも異なる他者の視点を取得しようとする傾向が確認された.発表では,これらの結果に対する解釈や考察,今後の課題についての意見交換を行った.

    東山篤規「鏡の中の空間的広がり」
    鏡の中に移されるターゲットの虚像までの知覚された距離や奥行きについて話した.平面鏡を用いてたとえば20m離れたターゲットを映したとき,ターゲットは光学的には虚像として鏡の中に定位するが,われわれがその虚像を観察したとき,虚像の実際の位置ではなく,それよりも近い位置(14m)に定位しているように知覚される.このような距離の短縮化は,反射面の小さな鏡に対していっそう促進される.また凸面鏡を用いてターゲットを映したとき,凸面鏡からターゲットの虚像までの距離は,鏡の曲率の増加に伴って小さくなるが,虚像までの知覚された距離は,これに反して,鏡の曲率の増加に伴って大きくなる.これらの事実は,ターゲットの虚像を観察したとき,虚像が定位する位置にターゲットが位置しているように見えていないことを意味する.また,ターゲットを3種類の金属鏡(銀,青銅,白銅)を使って映したとき,銀メッキのされた通常の鏡よりも,青銅や白銅で作られた鏡の方が,虚像までの見かけの距離が大きく,虚像間の見かけの奥行きも大きくなることが報告された.
  3. 2016年11月21日(月)17:00~衣笠キャンパス洋洋館 6F第1研究会室
    下江輝(情報理工学部野間研究室)「触覚センサによる素材識別に関する研究紹介」
    ひとの触覚特性を模した機械学習モデルを用いセンサデータを解析することで,ひとの触覚を機械上で表現しようと考えている.ひとの感覚受容器の代わりとしてのMEMS触覚センサを用いて得られるデータからどの程度の識別が可能であるか調べるため,機械学習にて解析したところ,28種の素材を80%以上の精度で認識することが可能と分かった.今後、ひとが認識過程として持っているであろう,教師なしの学習などでモデルを拡張していき,人工触覚の実現を目指す.

    佐藤克成(奈良女子大学)「人の知覚特性を利用した温冷感提示手法」
    触感を記録・再生する技術の中で,温冷感の提示技術は,環境の状態認識や触対象の識別を実現するために必要な要素である.しかし既存の温冷感提示技術には,時間応答性の悪さや放熱器による装置の大型化など,課題が多い.これらの課題を解決するために,人の知覚特性を活用した手法を提案している.本講演ではその1つとして,温刺激と冷刺激を並置することで実現した,時間応答性の高い小型な温冷感提示装置を紹介する.
  4. 2016年9月20日4時30分〜 びわこ・くさつキャンパス(BKC)エポック立命21,K306
    土田宣明 「運動抑制に影響する要因の年齢差」
    本発表では,運動コントロールへの加齢効果とその特性を,運動抑制の失敗に注目して検討した.対象となったのは,若年成人35名と高齢者35名であった。2種類のスイッチを用い,複数の条件のもとで,スイッチを押し分ける(あるいは握り分ける)課題を実施し,分析を行った.主たる実験の結果は,以下の2点であった.1)高齢者では反応タイプや音刺激が運動抑制の失敗に強く影響していること.2)若年成人は全体的に運動抑制の失敗は少ないものの,視覚刺激からの誘導要因が強く影響していることが分かった.以上のことから,運動抑制に影響する要因には年齢差が存在すること,高齢者においては,運動に付随する神経興奮が運動抑制に強く影響することが示唆された.その他,今後の課題について報告し,意見交換を行った。

    東山篤規 「視覚面の傾斜の異方性」
    きめの勾配は,平面が傾いて見えるためには必要な刺激条件とされている.本発表では,さまざまなきめのパターンを用いて,その傾きに異方性があるのかどうかということを話題にした.実験では,床,天井,左向き側壁,右向きの側壁を表す各パターンの勾配を変えて,その見かけの傾きを被験者に評定させた.実験の結果によれば,床パターンが前額面にもっとも近くに見え,他の3面はそれよりも大きく傾いたように見えた.また,きめの勾配のうち,もっとも大きく面を傾ける勾配は,遠近勾配であり,運動勾配は,遠近勾配ほど強力な効果を持ちえなかった.

    平井慎一 「柔らかい触覚センサ」
    本発表では,柔らかい素材を用いた触覚センサを紹介した.一つ目は,感圧導電布を用いたセンサである.感圧導電布は,伸縮により抵抗が変化する感圧導電糸を織って作る.このセンサは,触覚,滑り覚,近接覚を実現することができる.布センサを用いて,8種類のテクスチャーを識別した結果を示した.二つ目は,柔らかい指先に埋め込むことが可能な力覚センサである.このセンサは,磁石と磁場を検出するホール素子から構成される.指先の変形によって生じる磁石の動きをホール素子で検出することにより,指先に作用する力を計測することができる.このセンサを内蔵した指先で物体を把持し,操作すると,把持物体と他の物体との接触や衝突を検知することができた.
    fig1 fig2
  5. 2016年7月1日4時30分〜 衣笠キャンパス 洋洋館 6F 第2研究会室
    岡本雅史 「情報デザインの認知言語学的アプローチ―情報デザインから関係デザインへ」
    田浦秀幸 「心理言語学研究におけるブレーンイメージングデータ」
    大石衡聴 「言語理解過程における一般的認知機能の役割について」
  6. 2016年5月27日4時30分〜 びわこ・くさつキャンパス(BKC)エポック立命21,K305
    矢藤優子 「行動計測機器を用いた幼児の認知・社会的行動発達の指標化」
    松村耕平 「自動車内インタラクションのデザイン」
    丸山勝久 「ソフトウェア進化支援におけるプログラム理解活動の可視化」
  7. 2016年3月17日4時30~ 衣笠キャンパス学而館第2研究会室
    林勇吾  「擬人化エージェントを用いたインタラクションに関する認知科学的研究」
    島川博光 「ふるまいの測定からのモティベーションの同定」
    山本博樹 「高校生への説明と理解支援モデル」
  8. 2016年1月15日4時30~ びわこ・くさつキャンパス(BKC)エポック立命21,K308
    篠田博之 「視覚研究とその応用」
    服部雅史 「論理的推論の確率モデルと推論の対称性」
    高田秀志 「帰納型プログラミング学習環境構築の試み」
  9. 2015年10月9日4時00~ 衣笠キャンパス学而館第4研究会室
    北岡明佳 「並置混色と明るさ・色の錯視の関係」
    野間春生 「ヒトの触覚機能の再現を目指す触覚センサの開発」
    田中省作 「速読教材における多様な「チャンク」の同定」